Ayane380ブログ

乃木坂46 22ndシングル アンダー曲『日常』MV( #今泉力哉 監督)を解釈してみる

『日常』はアンダーメンバーによる曲ですが、歌詞は欅坂の抵抗ソングにも近い激しい都会的なレジスタンス感、それに対して謎の遊牧民をイメージし、多くの意味が込められた(解釈が視聴者にゆだねられた)謎たっぷりのPV、そしてセンターきぃちゃんの迫力ある表情が素晴らしい一曲です。

現在はショートバージョンのみの公開になりましたので、全曲はぜひ22ndのType-Bでご確認ください。


MVに出てくる白い服を着た一同は遊牧民らしい。

夜中、青いかりんの実を取ろうとしてやめるきぃちゃん。その後からやってきた誰かがそれを手に取る。きぃちゃんは物陰から見ている。
朝。寝起きをカメラで撮影する、もしくはシャッター音で起こす風習?
水たまりで赤い液体を準備する絢音。
スープのような炊き出しが朝食。配布は花奈。
史緖里(補助にみり愛)からサングラスも配給される。
サングラスをかけてスープを食する一同。
写真を撮り続けても目覚めない蓮加、日奈と蘭世が異常に気づき、蘭世が口笛で知らせる。
★《電車の前で踊るメンバー》
きぃちゃんが写真を撮り続けるが目覚めない。
■青い服。回想シーンか蓮加の夢?何かを探しているが、何かに気づいて付いていく。
起きない蓮加を囲む日奈・蘭世・きぃちゃん・絢音。
絢音が何かに気づく。かじりかけの果実が横に転がっている。
冒頭シーンで果実を取っていたのは蓮加だった。きぃちゃんはそれを見ていた。
きぃちゃんが穴を掘り始める。ショベル、スコップ、鋤などを手に取る遊牧民たち。
★《踊り》
みんなで穴を掘る。
輪を離れるきぃちゃん、それを見つめる絢音。
きぃちゃんは果実を取る。
起きない蓮加にスープを飲ませようとする花奈・みり愛、それを囲む一同。
きぃちゃんがそこに果実を宙に投げ投げやってくる。
そのまま通りすぎると、スープを持ってみんなも付いてくる。
穴に果実を投げ込む。そのまわりにスープを円く注いで、いきなり駆け出すきぃちゃん。
■青い服。きいちゃん・蘭世・蓮加が大きな葡萄を食べる。笑顔のきぃちゃん。
スコップなどを持ってきぃちゃんを追いかけるみんな。
寝顔写真の連続。
■青い服。振り向く蓮加。
倒れている蓮加と、遠景のみんな。
そのまんなか(おそらく果実とスープの穴)で大爆発。
ややあって頭をもたげる蓮加。
駆け寄ってくる一同、だが最後尾に一人ともう一人が立ち止まっている。
倒れる一人。
★《踊り》
倒れているのはきぃちゃん。それに気づく絢音は腰に巻いていた布をはずす。
★《踊り:曲終わり》
サングラスをかけて、絢音がきぃちゃんを背負っている。
その後について、一同、サングラス姿で荷物を背負って歩いて行く。一番後ろが蓮加。
「乃木坂46 日常」テロップ、割れた果実、一輪の白い花。

 

fumi Diary 2号店さんの記事によると、遊牧民のシーンは茨城県筑西市の下館オフロードコース、ダンスシーンはその近くにあるザ・ヒロサワシティの保存車とのこと。

 

さて、今泉監督は以下のようにツイートしています。

そういうわけで、自分も解釈して楽しんでみようと思います。

乃木坂46「日常」MV公開!遊牧民たちの日常をシュールなコメディで表現 | OKMusicによれば「遊牧民のイメージで」とされているが、この白い服の一群は家畜を追ってないので、採集中心の移動生活者/放浪者の一群と言った方が正確かもしれない。

移動生活者は「非日常」の象徴ではないか。定住生活者が日常のルーティンワークにとらわれているのに反し、移動生活者には縛りがない。

その中でかりんの実は、「次の次の駅で降り」て非日常の世界にやってきた人たちを、再び非日常から日常(青い服)に引き戻してしまう力を持っているのではないか。日常の世界には葡萄で象徴される大きな魅力もある。しかし、その世界には戻ってはならないのだ。せっかく白い衣の非日常の世界にやってきたのだから。

非日常の世界においては、カメラとサングラスが象徴的に使われている。カメラは目覚めのための道具である。すなわち、偽りの日常から非日常に来た人々に、毎日覚醒を与え続けるツールなのだ。

サングラスは、確認できる限り、食事と移動の際にのみ使用されている。夕暮れの移動の際にもサングラスをかけていることから、眩しさを防ぐためではなかろう。蘭世から口笛で呼ばれたときにきぃちゃんがサングラスを外すことから推測して、サングラスは集中のためのツールではないか。食事のときには食事の味覚・嗅覚に集中するため。移動のときには視覚に頼らず自分たちの進むべき進路を直感によって知るためと考える。

きぃちゃんは移動生活者のリーダー格でありながら、ある日、かりんの実すなわち日常からの誘惑に心が揺れた。だが、すんでの所で踏みとどまった。その後にやってきた蓮加を、じっと見つめるだけで止めはしなかったのも、日常の世界からの誘惑に共感するところがあったからではないか。

そして蓮加は一口かじり、日常の世界の幻影に入り込んでしまった。日常から非日常の世界に引き戻す方法はわかっている。穴を掘り、かりんの実を爆破することで、日常の世界が破れるのだ。ただし、そのためには代償が必要であることを、リーダーであるきぃちゃんは知っていた。そして、蓮加の「罪」は自分が犯しかけていた「罪」であることも。

日常の世界への入口となるかりんの実に、非日常の世界のスープをかける。この儀式を行って、きぃちゃんは真っ先に逃げていく。映像にはないが、絢音が持っていた赤い液体が爆薬となった可能性もある。そして、日常世界に引き戻すかりんの実が爆破された瞬間、日常という名の甘美な悪夢から目覚める蓮加。

しかし、蓮加を日常から非日常に引き戻した代償としてきぃちゃんは倒れる。きぃちゃんが倒れるのを見つけた絢音は、少しでもきぃちゃんが日常に心を動かしてしまっていたという真実に気づいたのかもしれない。そして、それを責めることなく、深い共感のもと、代償を恐れずに蓮加を救ったきぃちゃんを支える側に回る。

移動生活者たちは一つの場所に縛られることなく、再び新たな地へと旅立つのだった。

粉砕されたかりんの実の横には、非日常の世界の花が咲く。

……と妄想してみました。まあぜんぜんわかんないんだけれども! MVの要所要所で絢音ちゃんが何かに気づく役割が与えられているのも、絢音ちゃんファンとしては嬉しい仕込みでした。

乃木坂46関連考察   2018/11/26   Flying_Honu
≪ 舞台けものフレンズ2 観劇の感想  |  「舞台けものフレンズ2」「アジア国際子ども映画祭」 ≫