「HUGっと!プリキュア」と乃木坂46「時空超越アイドル イマガール」との共通項
ブログ主は娘がおりまして、毎週日曜朝のプリキュアを録画して一緒に見ています。
2018年のプリキュアのタイトルは「HUGっと!プリキュア」。1月末の終了まであと2か月を残すところとなってしまいましたが、この中でどうも乃木坂46を思い出してしまうキャラクター設定があります。
※決して「はぐプリ」が乃木坂をパクったとかそういうことを言いたいわけではありません。類似点があったとしても、相違点もいくらでも挙げられます。ただ、どうしても思い出してしまうということで。あと、多少ネタバレあります。以下、文体変わります。
■HUGっと!プリキュアの「ツインラブ」
15作目のプリキュアシリーズ「HUGっと!プリキュア」、キャッチコピーは「なんでもできる!なんでもなれる!輝く未来を抱きしめて!」。
未来があるから絶望するのだ、ということで、人類から未来を奪うことを企業理念とする「クライアス社」は未来世界で時間を止めてしまった。だが、その世界で最後まで抵抗したキュアトゥモローと、クライアス社幹部の一人だが裏切ったハリハム・ハリーが現代の世界へやってくる。その過程で、キュアトゥモローは赤ちゃんの姿の「はぐたん」になってしまう。
このハリー(通常はハムスターの姿だが、人間に変身するとイケメン&イクメン)とはぐたんに出会った中学生たちがプリキュアとなり、クライアス社が発注する怪物「オシマイダー」「猛(もう)オシマイダー」と戦っていく。
子育てと職業体験もストーリーに絡む一方で、敵幹部が稟議書を上げて出撃したり、失敗すると始末書を書かされたり、オシマイダーがプリキュアによって浄化されると「やめさせてもらいまーす」と辞意を表明したりするなど、社会人にも突き刺さる設定が話題となった。ただし、クライアス社は定時退社らしい。
また、「女の娘」設定のフィギュアスケーター(若宮アンリ)も登場し、「女の子だってヒーローになれる」というプリキュアシリーズのテーマに対して「男の子だってプリンセスになれる!」というセリフが飛び出し、さらには男子初のプリキュアになってしまう。性的役割分担を軽々と飛び越えてしまう展開もあり、かなり「攻めている」のがすばらしい。
さて、最初にプリキュアになるのが次の三人だ。
- キュアエール(野乃はな):元気のプリキュア、ピンク。エールは「応援」の意味に加えて、フランス語で「羽」を意味する。剣型の武器が登場したときにはそれを拒否し、楽器型の武器に変え、敵を受け入れて癒すことこそが「わたしらしい」と言い放った。「フレフレ、みんな!フレフレ、わたし!」と自分も励ますのが現代的。
- キュアアンジュ(薬師寺さあや):知恵のプリキュア、水色。アンジュは「天使」。母親は大女優で、本人も子役として活躍している。
- キュアエトワール(輝木ほまれ):力のプリキュア、黄色。エトワールは「星」。フィギュアスケート選手で、一時期スランプに陥っていたが、自分らしく演技できるようになった。
この三人は初期に順番にプリキュアになり、前半のトリオとして活躍する。それに加えて、中盤で二人のプリキュアが当時に加わる。いわば二期生プリキュアだ。
- キュアマシェリ(愛崎えみる):愛のプリキュア、赤。マシェリは「最愛の人」。財閥の娘として禁じられていたギターを諦めきれず、一方でプリキュアにあこがれていた。
- キュアアムール(ルールー・アムール):愛のプリキュア、紫。アムールは「愛情」。クライアス社相談役のドクター・トラウムが作り出したアンドロイドである(製造番号は「RUR-9500」)。未来世界からやってきて、クライアス社のアルバイトとして働いていた。調査のため、有給休暇をとった上で留学生と偽って野乃はな宅に潜入するが、プリキュアたちと触れ合ううちに心を得て、クライアス社を離れる。
えみるとルールーは完全に親友となり、二人で一緒にプリキュアになりたいと願ったが、変身に必要なプリハートは一つしか残っていなかった。しかし、お互いを思いやる気持ちが奇跡を起こし、二人は同時に愛のプリキュアとして変身を果たす。
なお、えみるとルールーはロックンロールなアイドルユニット「ツインラブ」を結成し、クライアス社の元社員が立ち上げた「まえむきあしたエージェンシー(MAA)」所属タレントとなっている。
■乃木坂46「時空超越アイドル イマガール」
さて、この「ツインラブ」を見るたびに思い出すのが、乃木坂46 12thシングル「太陽ノック」の特典ペアPV映像である。
アイドルになりたい二人の思いが共感し、時空を超えて2015年に転移してきた、という設定。
- かこ(渡辺みり愛):1984年からやってきた。元気がよいが猪突猛進型でおっちょこちょい。当時の流行語を使いまくる。
- ミライ(鈴木絢音):2046年からやってきた。バーチャルアイドル全盛の時代に、生身の人間がアイドルになるのは厳しい。沈着冷静な性格で、高機能ゴーグルを装着しており、状況を把握している。
この二人が2015年の世界でともに手を取り、アイドルを目指す、というショートムービー仕立て。本当によくできています。
このPVについては、こちらのブログ記事で詳細にレビューされています。
■ツインラブとイマガールの共通点と相違点
- 未来からやってきたルールーとミライ、過去から来た(または未来から見れば過去にあたる現在の)えみるとかこ。未来組の方が過去組より背が高い。
- ルールーとえみるはツインラブとして、ミライとかこはイマガールとして、それぞれ二人組のアイドルユニットとして活動する。立ち位置は、過去組が客席から向かって左(下手側)、未来組が向かって右(上手側)。
- 未来からやってきたルールーとミライは、いずれもテクノロジーを駆使し、沈着冷静に状況を分析する能力に長けている。機械的でクールだが、想いが深いという点も共通。ミライ自身は生身だが、造形は非常にアンドロイド的。なお、ルールーの服装のデザインは紫と白を基調としており(ハイライトは赤)、これはミライ=鈴木絢音のサイリウムカラー(紫×白)に一致する。ミライの銀色+白い髪色は非常にアンドロイド的。名前表記も二人ともカタカナ。ちなみに、鈴木絢音はジャパコンProject『エージェントHaZAP』にて、"統括補佐官AA-035"というアンドロイドとの設定もあった。
- 過去に属するえみるとかこは、いずれも情熱的で想いが先行するタイプ。暴走しがちな面もあるが、前向きな姿勢で物事を動かしていく。名前表記も二人ともひらがな。えみるの服装は赤と白を基調とする(ハイライトは紫)ものの、髪の毛の色はクリーム色で、かこの服装のクリームイエロー+白、渡辺みり愛のサイリウムカラーも黄色×黄緑と共通点があるといえる。
- キュアマシェリとキュアアムールはどちらも「先輩プリキュア」3人に対する「追加プリキュア」である。渡辺みり愛・鈴木絢音は乃木坂46の二期生である。*1
- えみる「プリキュアを一緒に目指しましょう」
かこ「一緒に目指そうよ、トップアイドル!」 - ルールー「わたしは、えみると一緒にプリキュアになりたい!」
みらい「あなたと一緒ならきっとうまくいく」 - 【相違点】ツインラブはお揃いのギターを使う(プリキュアとしては「ツインラブギター」という攻撃アイテムであり、マシェリバズーカ、アムールアローと名づけられている)。イマガールは二人ともボーカル(ただし、みらいは背景に未来の楽器らしきものを出現させる)。
- 【相違点】ルールーのいた未来世界では音楽という文化が失われてしまっており、ルールーは未来の世界に音楽を通じて愛を伝えたいと考えている。そのため、いずれ未来世界に戻る(えみると別離する)ことが暗示されている。ミライの2046年はバーチャルアイドル全盛だが、生身ではないにしろ音楽自体が失われてはいない。また、2046年に戻るのか、それともこのまま年齢を重ねて2046年に至るのかは不明。
- 【?】ルールーはアンドロイドのくせに食いしん坊との設定。みらいは?
*1 無理に乃木坂一期生から先輩プリキュア三人を選出するとすれば、生生星の三人はどうだろうか。元気の生駒、知恵の生田、力の星野(しかもエトワール=星である)。
■まあ似てたらどうなのという話ですが(すみません)
くり返しますが、プリキュアがパクったとか言いたいわけではありません。ただ、設定が似てて面白いなあというだけの話(しかも絢音ちゃんが絡んでくるので)。ただ、今回の「HUGっと!プリキュア」には以下のようにパロディ要素も盛りだくさんなので、イメージ原案の中にイマガールも入ってるといいなあ、と逆に思います。
- クライアス社相談役(ルールーの「父」)のドクター・トラウムは、猛オシマイダー発注の際に「今週のビックリドンドンメカ~!発注~猛オシマイダー」と歌った上で「ピコっとね」とボタンを押す。おまえはボヤッキーか。
- クライアス社のジェネラルマネージャーであるジェロス(女性)は、背後にイケメン二人の部下を従えている(ちなみに声は小島よしおと髭男爵山田ルイ53世)。
そんなわけで、気になった方はぜひ、「太陽ノック」TYPE-BのDVDで確認してください、という話でした。(なお、はぐプリは見逃すと視聴できる手段がないので、放送または録画がおすすめ)