レビュー 【revue(フランス)】 踊りと歌とを中心に寸劇を織り込み、豪華な装置を伴うショー。もとパリで、毎年12月に1年間の出来事を急激に場面を転換させながら諷刺的に演じた一種の喜劇。第一次大戦後各国に流行。(広辞苑)
レビュー 〖フランスrevue〗 舞台芸能の一。フランスのボードビル,イギリス・アメリカのバラエティーから発展したバラエティー-ショー。歌・踊り・コントなどあらゆる舞台芸術・演芸の要素をとりこみ華麗多彩な展開を見せる娯楽性の強いショー形式のもの。日本では宝塚少女歌劇団が最初に上演。(大辞林)
ネタバレ要素は極力減らしますが、一切の情報をシャットアウトしてから観劇したい方は、後日お読みください。
キャスト
樋口日奈(乃木坂46)・伊藤純奈(乃木坂46)・鈴木絢音(乃木坂46)・能條愛未
田代明(劇団4ドル50セント)・谷口愛祐美(劇団4ドル50セント)
悠未ひろ
乃木坂46の4人(卒業した愛未ちゃん先輩含む)から2人ずつ、6種類のペアがそれぞれの悲恋を繰り広げていきます。辞書的にはもともと「喜劇」とされていますが、コミカルな場面もあるものの、全体に悲恋のトーンです。
もちろん絢音ちゃん目当てで、可憐な踊りと華麗な声がこれでもかと放たれるのに満足したのは当然ですが、ひなちま・じゅんな・愛未ちゃん先輩の表現力や歌声の迫力に気圧されました。
そして、この舞台が単に可愛い乃木坂メンバーの活躍が見られるというだけにとどまらず、レビューとしての完成度を高めていたのは、なんといっても対手役となる元宝塚男役の悠未ひろさんの演技があってこそといえます。一人で4人を相手に回しても決して負けない、経験に裏打ちされたオーラを放つ悠未さんがあえて引き立て役に回ったことで、このレビューは引き締まっていました。まさに光をくっきりと浮かび上がらせる影の役。宝塚ってやっぱりすごいな、と言ってしまえば小学生並みの感想ですが、緩急自在の呼吸で舞台を土台から動かしていると感じました。
そんな悠未さんの胸を借りて全力でぶつかる4人の姿が見られるこの舞台、本当は映像化して永久保存していただきたいほどです。使用曲が多いので著作権料がかかるとしても、名曲メドレー的な側面もとてもよかったところなので、ぜひ検討していただきたいところです。
あえて物足りなかった点を指摘するとすれば、ストーリー上の結末について、あと少し盛り込んでほしいと思ったことがありました。まず、なぜ「4人」で演じる必要があったのか。キャストの都合と言えばそれまでですが、2人ではなく4人で演じる必然性について、何らかの説明が一言あればと思いました。もう一つ、運命に抗おうとするとき、それまでの数々の転生のどこかにその鍵となるものが少しずつこっそり埋め込まれていて、それが最後に発動するという形になっていればよかったと思います。今回の脚本では、そのあたり、想いだけが武器になってしまっていたようで、そこに何らかの要素がさらに伏線として盛り込まれていれば、と思いました。(もし私の見逃し・聞き逃しであればすみません)
そういう気になったところはあったものの、全体に満足度の高い舞台でした。かなうものなら、怪盗ネヴィルと追いかけっこしたい。
ところで、今回観劇したのはチーム怪盗&刑事(能條愛未、鈴木絢音)アフタートーク回でした。アフタートークでは、愛未ちゃん先輩から、これまであまり接点のなかった絢音ちゃんと目が合うようになったという話がまず飛び出しました。一緒にHipHopで応援したこともあるはずだし(Nogibingo!4第7回)、アンダーライブでも一緒にやってきたはずなのに、二人とも人見知りし合ってたんですかね。多少誇張があるとしても、今回のレビューでかなり打ち解けたようなので、今後は仲良しさんになってしまってください。
あと、観客席からの質問の流れで、絢音ちゃんメイン、愛未ちゃん先輩に4ドル50セントの二人も加えての合唱になったのはお宝もいいところ。しっかりと脳内に記憶しました。
当日はパンフとポスターを購入。後日、物販だけ立ち寄れることがあったので、ブロマイドも購入しました。興行的には空席もあったようで残念ではありますが、集客以上に舞台の熱量は高く、それを受け取った観客の満足度も高かったと信じます。
乃木坂について、いわゆる「人気メンバー」以外のメンバーについて熱い記事を載せてくださっている財経新聞の潜水亭沈没さんも、今回のレビューに対して高評価を与えています。
2月の大阪での公演が成功しますように。そして、5月の「ナナマルサンバツ2」も期待ですね!